世田谷区の南部を流れる多摩川の源流は甲州市にあります。笠取山の山頂直下から流れ出た清水は、138キロを経て東京湾にたどり着きます。山間部は甲武信ユネスコエコパークに認定された雄大な山々が連なり、大菩薩連嶺には首都圏から多くのハイカーが訪れています。
平野部はブドウ、モモ、スモモ、カキをはじめとした果樹の生産が盛んな地域です。特にブドウは、1,300年前から栽培が行われてきたと伝えられています。こうした古くから盆地特有の扇状地に適応した果樹システムは平成29年3月に日本農業遺産に認定、そして令和4年7月に国際連合食糧農業機関（FAO）より世界農業遺産として認定されました。
甲州市の名前の由来ともなった「甲州ブドウ」から造られる甲州ワインは、144年の歴史を誇り、その品質はいまや世界が注目するワインとなりました。